「問 屋」

 物資の流通を担う問屋には荷受問屋と仕入れ問屋がある。荷受け問屋は生産地の荷物を引き受け保管や委託販売を行い、仕入れ問屋は自己資金で商品を仕入れ卸売りを行う。江戸時代初期には荷受け問屋が多かったが徐々に仲買から仕入れ問屋になるものが多くなった。
 江戸の十組問屋もほとんどが仕入れ問屋であり、日本橋あたりには紀州の塗り物や膳腕を扱う塗り物店、小間物・綿を扱う通町組、薬種類を扱う表店組、本町あたりには繰り綿を扱う綿店組、紙類を扱う紙店組などがあった。