「江戸前」

 江戸の近くの海、品川や芝沖でとれた海産物をさすことも多い。鰻の場合は深川や神田川でとれたものに対して使っていた。江戸前の鰻は一度白焼きして蒸して、もう一度味醂いりのたれをつけて焼き上げる。江戸前鮨といえば上方の押しずしに対して深川本所の松の鮨や花屋与兵衛鮨によって考案された握りずしをいう。天ぷらはもともと西洋から伝えられたが、上方では魚のすり身に衣をつけたものをつけあげと言われていたが、江戸では天ぷらと言われ、屋台で食べるものであって江戸前の魚介類の揚げたてを串に刺して食べた。