「江戸の食べ物2」

 浅草には有名な駒形ドゼウがある。武蔵野国越後屋助七が11代将軍家斉時代に創業している。仲見世一角の甘味処梅園本店は浅草寺の別院梅園院の一隅に茶店を開いたのが始まりである。餅キビをつかったあわぜんざいが有名である。鰻屋の駒形前川は文化文政期に川魚問屋の初代勇右衛門が開業した。笹乃雪は上野近く台東区にある。初代は第111代・後西天皇の親王上野の宮のお供をして京からこの地に移り住んで江戸で初めて絹ごし豆腐を供した。宮が「笹の上に積もりし雪の如き美しさよ」と称賛されそれが屋号になった。蓮玉庵は安政6年創業の蕎麦屋である。信濃出身の窪田八十八が不忍池で見た蓮の蕾に因んで名付けた。森鴎外、樋口一葉、久保田万太郎など多くの文人を魅せている。