「飛鳥山」

 北区にある飛鳥山は江戸隋一の桜の名所である。南隣の豊島区には日光街道と中山道の間に染井村がありここでソメイヨシノがうまれている。江戸時代の桜の名所は他に上野・向島などがある。飛鳥山ではかわらけ投げの遊びも人気であった。飛鳥山の南東にある旧古河庭園は陸奥宗光の邸宅であったが、その後、宗光の次男が古河家の養子となり、古河財閥3代目当主の虎之助によって西洋館と庭園が造られ現在の形となった。洋館と洋風庭園は、戦前日本の洋風建築を手掛けたジョサイア・コンドルにより設計された。また、日本庭園は近代日本庭園の先駆者として数多くの庭園を手掛けた小川治兵衛(植治)により作庭された。飛鳥山の北東側には名主の滝公園があり、園内は回遊式の庭園となっており、男滝(おだき)、女滝(めだき)、独鈷の滝(どっこのたき)、湧玉の滝(ゆうぎょくのたき)の4つの滝が復元されている。