「巨木文化」

 タカミムスビはオオナムチに「現世を皇孫が治め、幽界をオオナムチが治める」といった。「オオナムチの住むべき天の日隅宮は柱は高く太く、板は広く厚くし、御料田を提供しよう。オオナムチが海で遊ぶための高橋、浮き橋、天鳥船も造ろう。」ともいった。天の日隅宮が出雲大社であり、恐ろしく高層建築であったのは出雲が巨木文化であったことを示唆している。出雲の巨木文化は縄文文化にも通じ、出雲に縄文文化が残っていたという傍証にもなる。日本神話に出雲の巨木文化が残されているのは大和が敵対的というよりも融和的だといえるだろう。ここでも日本文化の多神教的要素がうかがえる。