「通過儀礼」

 スサノヲは高天原で乱暴狼藉を働いて追放され、葦原中津国にて大蛇退治をして黄泉の国に納まった。オオクニヌシは黄泉の国でスサノヲからたくさんの試練をうけて中津国の支配者になった。天孫ヤマサチヒコは海神ワタツミの国で過ごすことによってウミサチヒコとの闘いに勝った。
 自分が新しい場所や新しい立場になれるには今までの場所での苦労や自ら違った場所での訓練が必要であろう。神話では地下や海の世界が通過儀礼の場所として使われたりしている。人には何故地下や黄泉が必要かとういうことはそこでの試練がこの世での強さを引き出すことを意味しているのだろう。現世の試練に耐えるには心理的には現実を越えた力も必要ということだろうか?
 インドの哲学にはマヤ識やアラヤ識、西洋には無意識があるが、日本でははっきりしない。