「天の浮き橋」

 天と地を結ぶ橋は天父と地母との間に架かる橋であると同時に理論と感情の間にかかる橋でもある。本当は橋によって繋がれていなければならないのに解離している精神状態もある。橋は日本神話では天の沼矛とも関連しており天の浮き橋にイザナキ・イザナミが立ち天の沼矛を海につきたて攪拌して大八島を生み落とす。この沼矛がまさに天の御柱になり天地を結びつけるものである。柱や橋、梯子はふたつの世界を結びつけ新しいものを生み出す。異なるものを結びつけ、新しいものを生み出すことは人を生かす。自分と他人、既知と未知、自我親和的なものと自我異和的なものの間には橋が必要でこれがないと新しいものが生まれなくなり、人の精神を解離させ人を苦しませる。