「鎮懐石」

 応神天皇を懐妊中の神功皇后が新羅平定の途中、御子出産を伸ばすために腰に付けていた石である。場所は筑紫の国伊斗村であり、伊斗村の海人の間では元々子授け、不妊、安産などに石が信仰されてきた。石の形から玉子から始祖王が生まれるという卵生神話と結びついているということは充分考えられる。玉子、殻、堅さ、石、永遠など子供、始祖王の長寿を願うこととも関連しているだろう。イワナガ姫を拒否して寿命が短くなったニニギのミコトの神話も思い出させる。これらの神話は韓国の神話であり、九州日向の神話であり、九州が磐井などの部族が栄えた国があったところであり、磐井が石の文化を持っていたこととも関連するかも知れない。