「日本神話の構成」

 日本神話は高天原神話と出雲神話と日向神話の3部構成である。まさに高天原の神々(天つ神、天神)が、出雲を中心とした豊葦原の瑞穂の国を譲り受ける交渉をして、日向に降りて国つ神(ワタツミ、ヤマツミなどの地祇)の娘と婚姻して天皇家が生み出された。
 高天原ではアマテラス(太陽)、ツキヨミ(月)、スサノヲ(海洋)を含む種々の神々が生み出され、出雲神話では国つ神系になったスサノヲの子孫のオオクニヌシがアマテラスの子孫のニニギノミコトに国譲りをして、その後天孫が国つ神と婚姻したり闘いながら国を支配する。天皇家はこの地を支配しているが元は天上から来たという考え方(天孫降臨)は支配のイデオロギーであり、人を仰ぎ見させる話である。そして国つ神のうちの異類との交わりで近づきがたい印象も与える。国譲りはあきらかにタケミカズチとタケミナカタの武力交渉である。生きるというのは当初は侵略であった。喧嘩、攻撃性も自分を生かすには必要な場合もあると思われる。平和主義ではいじめられる可能性もある。