「モリとヤシロ」

 古代大和ことばのモリは朝鮮語の山と同源とみなされている。モリは本来自然の樹木を示しており、なんらかの人工が加わった樹木は林といわれる。ヤシロには樹木があり人々が支配している地域ヤシロが山森と関係していることはまさにヤマ、アマすなわち天と関係していて支配と天が結びついている。支配と山と天・海が関係していることはすなわちこの世を支配するものが山・天・海などの支配者と同等であると物語っている。無意識の内に人間は自然に支配されており、自然を無視してはこの世を支配できないのである。