「勝ちさび」

 スサノヲはアマテラスとのウケイで女神を得たため自分の清浄心が示された、すなわちアマテラスに勝ったという勝ちさびに乗じて高天原で大暴れする。勝ちさびとは勝者らしく振る舞う事であり、さぶという言葉はかみさぶ・おとめさぶなどと使われる。一方アマテラスはスサノヲの乱暴・狼藉に対し善意に解釈し言い直すという詔り直しをしている。すなわちアマテラスはスサノヲに対して寛容の美徳を示しているにもかかわらず、スサノヲの乱暴・狼藉はおさまらないのである。人によっては善意が通用する場合と通用しない場合があることを知っておく必要がある。その後大勢の神々によりスサノヲは追放されたのであり、人の性格によっては大勢により追放などの本人にとって厳しい処置が必要になることもあるということだろう。