「女帝」

 神話の世界ではアマテラスが一番の神であると同時に女神である。記紀の世界では箸墓古墳の被埋葬者オキナガタラシヒメや神功皇后やヤマトヒメ、古代史ではヒミコ、トヨがいる。歴史上には推古天皇、皇極・斉明天皇、持統天皇、元正、元明天皇、孝謙・称徳天皇、明正、後桜町天皇がいる。今までの女性天皇は父が天皇でただ中継ぎ役の天皇であっただけで男系天皇といえるが、女性天皇の子供が天皇になればその天皇は女系天皇になる。日本では女系天皇はまだ存在していない。
 万世一系の天皇家が変質するが、男系天皇は男女平等という考えと矛盾してしまう。もともと日本では神話・紀記・考古の世界それぞれ女性が活躍しており、母親を通して子供が育って、母親の家系の子供・子孫への影響が大きい母系・女系民族でもある。日本では女性は神懸かりをしてシャーマンになり、人々を導く傾向もあり決して女系天皇が受け入れにくい状況ではないだろう。西洋と違って、日本人は母親の愛にどっぷり浸かって甘やかされている傾向があるとも言われている。妻のことを山の神といったり、山姥、鬼子母神の活躍も見逃せない。