「母殺し」

 イザナミはホノカクツチを生んだときにやけどをして死んでしまう。国土、山川草木、火、作物、鉱物の母だったイザナミは火を媒介にして黄泉の世界の住人になる。イザナギは母を象徴しているイザナミ・黄泉から生きた世界に戻るのに種々の通過儀礼をして、完全に死の世界イザナミと決別している。火は生と死を分けているし、火によって生きるということは生死の曖昧さをなくし生きている間に火を使ってしっかり生きることを表している。すなわち母から独立するのは知識を通してであることを言ってる。文明は文化によって発達するのである。未開の過去は文化によって始めて捨てれるのである。