「サニハ(審神者)」

  サニハとは広く霊威にみちた場所を言い、タケノウチスクネがサニハで神の言葉を請い、中臣烏賊津使主がサニハとして神の言葉を解いたりしている。このようにサニハは神託を請う場所から神託を解する者にも使われるようになった。神の言葉は比喩であり、それを解するものがサニハである。上記のように中臣氏がこの重要な役を担っていた。
 しかし人の言葉も、ある現象を示すために比喩や例えから発達しているのでそれをしっかり理解し、伝える役割のものが必要である。精神科医は患者さんの人間関係・家族関係につての翻訳者・サニハ的側面もある。患者さんの心を表す言葉は非常に神秘的で深い意味があり、解釈は相当慎重になされるべきであろう。