「神とゴッド」

 明治になって一神教のゴッドを基本的には多神教を表す神々の神と訳したのは基本的には混乱を生み出し、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教を誤解させてきた。絶対的なゴッドを信ずる人々にとっては絶対的なゴッドでありお互い相容れる訳がないだろう。このように八百万の神々、中国道教の神・帝・君、インドヒンズー教の神々、ギリシャ神話の神々のような多神教の神々とは明らかに違う。    
 一方仏教は仏という絶対者の教えにも関わらず、多神教の影響をうけてか釈迦牟尼仏、阿弥陀仏、薬師仏、大日如来などたくさんの仏がおり、仏になる前の菩薩も数多くいる。仏教は一神教であると同時に多神教的であり仲介役になる可能性がある。
 日本神話の第一神といえばアマテラスオオミカミであり、女性でもあるのは特徴といえるだろう。日本人の和や迎合主義はええ加減さを表すと同時に寛容さ・協調性を表しており、西洋の厳しさ、契約制・確かさとの違いを知っておく必要がある。