「出雲」

 日本神話は高天原神話、出雲神話、日向神話に分けられるが出雲はこのように神話において非常に大きな役割を演じている。さらにオオクニヌシ、スサノヲの根の国、イザナミの黄泉の国なども出雲と関係する。出雲は何故神話において重要な役割を担っているのだろうか?民族学からは出雲は縄文人の系統を引いているという説もあり、さらに考古学の古墳からは前方後円墳と違った四隅突出方形墳が発掘されており、大和や九州とは異質な面がある。国引き神話による別の土地が出雲に引っ張られてきた話は、すなわち住民が大和や九州と違っているとも考えられる。暦でも出雲は10月を神有月というように出雲に神が集まるところである。日本における出雲のように、自分の中に異質な要素があってもそれを自分の中に取り込むことが一番の安定・調和を生むということなのか?