「相撲」

 天下一の強力と言われた当麻蹶速(たいまのけはや)は出雲の野見宿弥(のみのすくね)と力競べをした。これが相撲の起こりであると言われており、当麻のある飛鳥地方に相撲神社がある。以後この野見宿弥は当麻蹶速の領地(葛下郡当麻)を賜って朝廷に仕えることになった。この野見宿弥は殉死を禁じた後の皇后日葉酢媛の埋葬の際に埴輪を立たせて、以後野見宿弥は土部臣と改姓した。
 朝廷内で葬礼の仕事を土師氏と当麻氏が争っていたのを相撲に例えたとも言われている。さらにすもうはすまいという発音からきており、神に捧げる舞いという意味もあり、このように相撲は神話や朝廷と結びついており、神事と言われている。色々の争いを相撲という神事・スポーツに昇華したとも言える。日本のスポーツは神事や道という道教的なものと結びついており、日本人はこのように何事も権威を持たせようとする傾向がある。