「箸墓伝説」

 ヤマトトトヒモモソヒメは夫のオオモノヌシが蛇であることに驚いたので、私に恥をかかしたといってオオモノヌシは三諸山に帰っていった。ヤマトトトヒモモソヒメは責任を感じて陰部を箸でついて自殺するが、この死に方はムラムラの間引きと関係してくる。食べ物を確保するのが大変難しかった昔、ムラムラの妊婦は産婆に桑の木の先を尖らせて、子宮のなかの胎児を突き刺して貰って死産させることもあった。そのとき誤って子宮を突かれて妊婦が死ぬこともあったであろう。まさに生きると死ぬ、食べる、生殖、性器などが深くからみあってこの伝説はある。さらに恥、神、責任、自殺も絡んでくる。箸と墓まさに生きると死ぬを象徴している言葉であろう。間引きには他に石でお腹を叩いたり、産声をあげるまえに妊婦がお尻でつぶしたりしたらしい。伝説には時々忘れてはならない残酷さがあるということだろうか?