「王家、権威、受容」

 人が人を受け入れるのは人の外見や言葉だけでは充分ではない。例えば話しだけは立派であっても中身が伴わないことも多々ある。そのため手っ取り早く中身の確かさを確かめるためにこれまた歴史や伝統、権威などを象徴するシンボルを用いる。
 神話では王家であることを示すのに3種の神器「八尺勾玉」「八咫鏡」「草薙の剣」が使われる。これらは天孫ホノニニギが高天原から降り立つときにアマテラスによって与えられた贈り物である。この3種の神器はそれぞれマツリを表す鏡、タタカイをあらわす剣、ものをウムことを表す玉として国家の3機能のシンボルでもある。権威は形・伝統だけでなくその意味が充分に伴って始めて強固にされるのである。
 精神は外見より中身に近いが、精神と深い結びつきのある言葉は意味・中身が広く・深く・味がなければこれまた形だけになり、ひとを納得させるためには意味・中身の広さ・深さ・味が非常に重要になり、言葉に中身の広さ・深さ・味が伴って始めて意味あるコミュニケーションが可能となる。