病名と本質

 病名が違うと通常は違う病気で共通点が少ないと考えられるが、内科・外科など身体医学よりは精神医学は区別があいまいである。その理由は精神の特徴をよく知ると分かってくる。精神は身体に宿っているため精神の状態がそのまま身体に現れる。すなわち精神が元気な時には身体も元気な現れ方をする。うっとうしくなると身体も元気がなくなる。生き生きすると身体も活発である。心の在り方がそのまま体にでる。したがって心の在り方がうつにしろ、不安にしろ、頑張りすぎにしろ、気を使いすぎにしろそれが体に現れる。心自身がそれほど境目がなく連続している。したがって体の症状、精神症状ひいては病名自身が境界がはっきりしなくなる。しかし体の在り方が共通していると同時に微妙に個人で違っている以上に、心の在り方が体と比較できないくらい個人間で違っている。