気のせい、気の迷い

 素人の方は患者さんの精神身体症状を気のせい、気の迷いなどといってまるでその症状が絵空事かのようにいうことがある。その言葉を聴いた患者さんは気のせいではない、本当に苦しい症状だと言う。これらの出来事は結局、気なる出来事が身体とは無関係に起こる、気や精神と身体は全く独立して存在していると考えるところから起こる。実は気のせい、気の迷いとは本当に身体のなかにあって身体の症状を引き起こし、実際身体が苦しくなるのである。まさに気持ちが身体と一体化して身体症状を引き起こすのあるう。絵空事ではなく、患者さんは本当に苦しいのである。何故、人の会話のなかで気のせいが絵空事になるのか分析が必要である。これは精神と身体が独立して存在しているという心身2元論に基づいているからだろう。
 一方、日本では昔から心身一如という1元論があり、精神現象を説明するのにも役立っている。