心的外傷

 こころの傷には急性の大きな傷と大きくはないが慢性に続く傷がある。人は一旦傷がつくと搬痕化して疼く。その結果精神症状として出現するが、症状は消すことは出来ない。消すのではなく症状と共に生きるのである。過去は変えることが出来ない故に症状を無くすことは出来ない。症状と共に生き、症状を持ちながらも少しでも生き生きする体験が症状を小さくしていくだろう。人によって与えられた心的外傷はその後の人間関係に無意識のうちに影響を与えるだろう。また現状が苦しいとその無意識の沈んだ苦しい体験が意識される。苦しいときにフラッシュバックがおこりやすいのも同じ理由であろう。