人間学的考察

 人は同じ人間であり共通の要素がある。しかしこの共通という言葉の意味はそれぞれ全く違った個人の体験と矛盾しない共通の体験構造である。お互い違った体質にもかかわらず共通の身体を持っている。全く違った意味を持っているにかかわらず理解できる部分がある。精神疾患にも神経症、うつ、統合失調症と症状・病名が違うにもかかわらず共通の要素がある。精神疾患は不快な環境・刺激があって人に種々の負荷・作用が加わって人から生き生きした自然さを奪うのである。不快な環境・刺激、人によって違った症状がおこると同時に症状に共通の捉え方も出来るのである。
 個と集合の違いとも言える。例えば人は重荷を背負えば重くて疲れてしまう。人に合わせ過ぎると振り回されてくたくたになる。孤独になればお互い理解が難しくなって分かり合えなくなる。