環境世界

 環境は同じでも環境世界は一人一人違う。人は自分の見たいもの、聞きたいもの、分かりたいことしか見えない、きこえない、分からない。この自分だけの世界を環境世界という。ハイデッガーが現存在といったものに近い。この興味ある、関心ある見方、聞き方、分かり方をブレンターノは志向性といった。ベルグソンはこれに近いことをエラン・ヴィタールといっている。
 相手の世界を知って始めて良い関わりができるのであるから相手の見方、聞き方、分かり方を知るのは非常に難しいがそれ故余計に大事なのである。相手の関心、興味、注意、頭に浮かぶ出来事に少しでも近づくことが重要である。相手の話を、相手の話している意味を、相手の意図を知ることが重要である。