心のトリック

 多くの人は良くありたい、頑張りたい、立派に生きたい、真面目で几帳面な生き方はあたりまえであるなどなど自分に対してもまた他人に対しても良いことを当然要求する。しかし自分の考えてるいいことや当然のことが本当に自分の身体に良いかとういと身体にはかなり無理をかけることになる。他人にとって良いことは自分の精神・心・頭にもよいことだろうが身体には相当負担がある。従って身体を無視して良いことをするのは良くないといえる。人は人によいことを要求するが相手が元気なときに要求するべきであって元気がないときは当然良いことを要求しすぎてはいけないだろう。人は相手が無理して元気に振る舞うことを知っておく必要がある。元気そうにみえても元気がないときがある。人に良いことを要求するのは慎重にする必要がある。
 多くの人は良いことをしないことが悪いことだと錯覚に陥っている。良いことを少なくしても良いことが少なくなるだけで決して悪いことではない。元気のないときや調子の悪いときはよいことを少なくして身体を守る必要があることも多い。精神的に参ったら良くないことだ、悪いことだ、悪いことしかないなどと錯覚している人も多い。辛い経験や苦しい経験、身体的かつ精神的病気はもし病気とつきあえるようになったら、苦労した分苦労してない人より人生が深くなりうる。
 病気になるのは悪いことだと思ってそれを除こうとするのは身体疾患だったら意味あることもあるが、精神疾患の場合病気になったのは過去や今までの経験が関係していることが多い。従って病気をなくそうとするのは過去を変えようとすることでもある。これは不可能である。過去によって生じた苦しみを持ちながら、これからが少しでも自分を良くしていけるのである。しかし過去にしばられた自分だけで解決しようとするのではなく、他人や自分の身体を含む環境を調整して自分や自分の心が生き生きしてくるのを待つのが良いだろう。