記憶がない

 記憶がなくなるのには色々なパターンがある。大脳の障害による記憶力障害、心理的に思い出したくないことを忘れてしまう抑圧、さらに最近多くなっているのが今の自分が厳しい現実に直面することが出来なくなって、過去に抑えられていた別の自分が出現する解離障害などがある。最近の若い女性にこの解離障害が多くなっている。過去の抑圧された虐待体験などが現在の自分の脆弱性も引き起こしている。そのため自分の困難に直面出来ず過去の苦しい抑圧された別の自分、別の精神状態が出現ししばらくして今の自分を取り戻したときには過去の別の自分のことを覚えていないというのが解離状態である。別の自分と直面し処理することも大事だが、人と交わって今の自分を大きく、深くしていくことが解離を無くすだろう。
 抑圧は過去に自分の一部を抑え込んだことであり、人の体験を横断する。一方解離は過去の自分の一部が今の自分と取って代わることであり、縦断的である。