「体言葉」

 頭が痛い、ムカつく、腹が立つ、ハラワタが煮えくり返る、手がつけられない、手をこまねく、目をまわす、ちびる、胸が張り裂けるなどなどからだ言葉は結構ある。なぜ体言葉が使われているのか、これは当然だが日常生活では気づかない一面もある。人の経験、体験、考え、感情、ストレス、性格など心の出来事は体や頭の中にある。したがって心は体にしか表現されない。そこである種のストレスがどういう体の状態を惹き起こすかという経験から、逆に体の症状、体言葉を使ってその種のストレスを表すようになってきたのである。すなわち頭の痛いことがある、むかつく奴だ、腹が立つ、ちびりそうなどなど。このように人は無意識のうちに心と体の結びつき、心身一如を語っているのである。