認知のわな11 話せばわかる

 人は話せば分かり合えると思っているかたが多いが、人や人の考え・気持ち・しようとしていることを分かり合うのは非常に難しい。5・15事件で犬飼毅が将校たちに話せば分かると言っても問答無用であった。人は正しいと思った信念を持つとその偏った、狭い世界の正しさゆえに、他の正しさを受け入れないのであって、話し合いは成立しないこともある。どのような考え方もある意味すべて未熟であり、完璧、完全、徹底はあり得ない。確かに自分の考えでは一層正しい方向に進めているし、一見正しいのだが、他の考え、違う立場、価値の違いを無視してしまう。まさに話し合いを拒否する傾向があり独善である。信念は独善になりやすいし、その場合は話し合いを拒否してしまう。