認知のわな8 治そうとすること

 病気を治すとはどういうことか?病気によって治し方が違うのは当たり前である。特に心療内科・精神科は内科・外科と治し方が違う。心療内科・精神科の症状は過去から今までのストレスや無理、不快なことつらいこと、種々の葛藤の結果症状が出現している。誰も悪くなりたくてなっている人はいない。現在の悪い状態がよくなってほしいというのは自然な気持ちだが、しかしながら悪い状態をより良くしようとするのはある意味過去を変えようとすることである。しかし過去は変えられないので、無理が生じたり余計悪化したりする。
 すなわち現在の心身の辛い状態をよく知ってその状態にあわすことが無理の少ない状態であり無理がなければ心身が自然な状態になろうとする。すなわち自然治癒力がでてくる。簡単に例えて言えば、元気がないときには無理に元気を出すのではなく元気なく過ごすことが大事なのである。