認知のわな  般化、全か無か

 人は一般に強烈な出来事を経験するとよく似た場面・状況、よく似た人に対して同じような出来事が起こるのではないかと思ってしまう。また一度人に騙されると、二度と人を信用できなくなったり、学校時代いじめられたため人を怖がったり、一度結婚に失敗すると2度と結婚しないなどと思う人がいる。この心理は般化と言われる。こうして人はある程度人や状況を予想して自分を守っている。しかし知っておかなければならないことは人は一人一人全く違うのであり1〜2度騙されたからといって人を信用しなくなるのは自分独自の苦しい世界が持続するということであり、決して自分を生き生きさせない。始めて外の世界で苦しい体験をしたからと言って刺激を避けて閉じこもってしまうのは大変大事なものを失ってしまう。いったん傷をいやして再挑戦して行く必要がある。
 同様に全か無かといわれているように一部でも良くないことがあるとすべてを否定してしまうことも多い。これもすべて満たされていないと許せないという心理は完全主義、完璧主義で確かによいのだが強すぎると際限がなくなり破綻してしまうこともある。よく考えると完全・完璧は人間である限りあり得ない。そんな完全というありえないことに支配されれば無理が生じる。やはり人間は部分・一部を受け入れていく必要がある。