認知のわな5

 感覚と幻覚はどこが違うか?皆さんはおそらく見えないものが見えて、聞こえないものが聞こえていることを幻覚というと思っている。よく考えると自分が見ているものを相手は本当に見ているのか?自分が聞いていることを相手も本当に聞いているのか?確かに自分が見たり聞いたりしていることは相手にも見えたり聞こえたりしているという確信が皆さんにはあるでしょう!よく考えれば自分の大脳の中で見えているものを大脳の中で聞こえているものを本当に相手がわかるのか?相手の見え方が、聞こえ方がどのように見え、どのように聞こえているのか本当はわからないのである。相手が赤色をどのように見えているのか本当はわからないのに自分の赤色の見え方と一緒だと思い込んでいるが本当はあかいろという音が一緒なだけである。しかしこのあかという聞こえ方も本当は一人一人違うのである。従って音と色、聴覚と視覚が同時にお互い確かめられて通じ合っているのである。このように感覚は確かめ合って現実になるので人と確かめ合わない感覚はまだ現実とはいえず、幻覚でありうる。自分の感覚が現実だと言えるのは人と確かめ合って始めて確かなものとなるのである。