生活世界

 人は父、母、兄弟、地域、学校、会社、その他の社会に関わっている。自然があり、社会があり、歴史がありそして相手がいる。相手との関係例えば母、父、友人、恋人、配偶者、子供との関係はそういう自分を生み出している。これらの出来事は感覚だけではない、また知覚だけでもない何か手ごたえのある実在体験である。そして人は必ず衰え死んでいくのでこれを前提に生きている。いろいろな出来事すなわち一つ一つの何かに対するとらえ方は実は際限がないのだが、なぜか人はある程度見切ってしまう。自分だけの経験で分かった気になってしまう。確かに生活経験、自分の人間関係は大きく自分に影響しているのだがそれは本当にわずかの数の人間関係、わずかの体験であるため日常生活上、人間関係上大きな困難のもとになっている。しかしこの生活世界からしか出来事を理解できないのも事実である。