中動態

 中動態とは能動態と受動態の間の状態といえる。一方自然な状態よりも少し自発的なところがある状態ともいえる。自然をしぜんではなくじねんというときの状態にも近い。能動態のような自発性の発揮した状態とはいえず、生まれる、晴れる、始まるなど何かが変化するときに使う自動詞に似た部分がある。統合失調症は主体性が奪われて、周りに悪口を言われる、自分は悪く思われるなど受動態が多くなり、観念が自然に生まれて意味や音と関連して勝手に結びつく中動態的な心理状態になっている。妄想なども自分が見て、聞いて、判断しているというよりもそうなってしまうと言った方がよいと思われる。このように統合失調症の精神状態は能動態、主体性が弱くなり中動態、受動態的になる一面がある。しかし一層深く考えれば人はみな自分で考えているようでそう考えさせられているともいえる。