「話すことと聞くこと」

 言葉を話すの話すは放つという言葉に意味が近く、自分の内面・心にあるものを人に向かって投げ出す一面もある。もし自分の中に溜まっているものを吐き出すだけなら吐き出された相手は不快感を感じるだろう。子供のために勉強しなさいという親は本当に子供のために言っているのか、勉強して欲しいという自分の子供への期待と勉強がきらいな子供の現実とのずれに葛藤や不満を感じている親が知らず知らずに親の心の葛藤を子供に吐き出しているだけではないかと注意する必要がある。話すことは自己主張であり、相手がそれを受け入れるには受け入れたいという気持ちがとても重要になってくる。
 相手が自分の気持ちや言葉を受け入れようという気持ちになるには普段から自分も相手を受け入れていなくてはならない。相手の話を聞くことは相手を理解しようとすることであり、聞いても聞いても完全には理解できないが相手には理解しようとしてくれている、相手のことを尊重しようとしているなどが伝わって逆に相手もこちらの言うことに耳を傾けるようになってくれるだろう。相手の話を早わかりすればするほど実は自分だけの経験で相手を理解否錯覚しただけになり、本当に相手を理解しているかどうかは怪しくなる。