「調子の波」

 うつ状態の患者さんが回復してくるときには一本調子でよくなるとは限りません。調子のよいとき、悪いときを繰り返しながらよくなることも多いです。多くの患者さんは調子がよければ治ったかのように感じられかなり元気に暮らそうとします。そうして再び落ち込んでしまって参ってしまったり、がっかりしたりします。ここでまだ調子の波があるということはまだ調子が悪いあるいは充分安定しているとは言えないと言うことです。従って調子がよいからといって元気に調子よくすることが調子を悪くする可能性が高いです。従って調子がよくてもまだまだ充分回復していない、充分余裕や余力が貯まっていないと思って無理をしないことが重要です。さらに病気になるまえの元気さ、頑張りを再度求めることも慎重にする必要があります。なぜならその元気良さ、頑張りが患者さんをうっとうしくさせた可能性が高いからです。