「ストレス」

 この言葉は常識になっていると言えるが、ここでもう一度説明しておきたいと思う。ストレスの意味は圧力、強制、緊張、強調などであるが、心理的にはどんなことがストレスになるだろうか?人間は体質、気質、育ってきた環境、過去の人間関係、経験、性格、能力、人格など一人一人全く違っているにも拘わらず、この家庭、地域、社会で他の人間と一緒に生きていかなければならない。人間が自己実現していく時に他の人間との関係が必ず必要であり、自分と違った人間との関係は違いが大きければ大きいほど自分の気持ち・心にひずみ・ずれが生じる。明らかに自分以外の誰かや何かによって心理的力すなわちストレスが加えられたと感じるのである。しかし本当にまっすぐな心に力が加えられたのだろうか?そんなはずはないのである。すなわち人間は乳幼児時代は混沌とした形の定まらない、躾のされていない精神状態である故に周りの人間の働きによって力・ストレスを加えられ(躾)徐々に人間として成長していくのである。したがってストレスはまだ定まっていない人間がまっすぐにされるときにも感じるのである。一人孤独で居続けると精神・心は定まらないまま固定してしまう可能性も高い。それはそれでストレスが少ないから楽なのだが人間関係をもたなければならない人間にとって孤独で独自の精神・心・性格は他人の精神・心・性格などが強烈なストレスになってしまう。人間関係を通じてある形に定まってきている人間、あるいは人間関係を柔軟に結べる人間はますますいい形ある意味では真っ直ぐになると思われる。しかしこの事と人間の独創性、天才性はあきらかに矛盾する。