「眠れないんですが?」

 一口に不眠と言っても色々な場合がある。寝付きが悪かったり、途中で目が覚めたり、朝早くに目が覚めたり、2度寝が出来なかったり、一睡も出来なかったり、眠りが浅かったり、トイレに行くため起きやすかったりこのように一人一人不眠も違っている。多くの人は眠れなければ一層寝よう寝ようと努力したりしてさらに眠れなくなる。通常寝よう寝ようとすればするほど眠れなくなるのは当たり前である。なぜなら眠れている人は眠たくなるから寝るのである。睡眠は覚醒した意識状態がなくなって、夜という暗闇のなかで一種孤独な闇の中に入るのだから、本当は不安で怖いものである。それにも拘わらず眠れるのは体が自然な状態に加えて相当な安心感があるからだろう。この安心感は夜寝るときに生じるのではなく、日中の生活上の安心感それもある程度安心感が持続している時に持てるのであろう。それが人を眠くさせるのであろう。従って安心感がなく眠たくならないときに、頭や心を使って無理に寝ようとすればするほど意識が働いて覚醒し目が覚めてくる。逆説的だが眠れないので寝ようとすればするほど一層自分を眠りにくくするのである。ではどうすればいいのか?普段の日常生活の中に不眠の原因があるのだから、眠れないのなら寝ようとしないで布団の中で目をつぶって静かに休むのである。眠れなくても体を休めるだけでかなり睡眠の代わりになるだろう。不眠で日中だるいときは無理をしないことも大事だろう。
 このように不眠にも種々の特徴があり、寝付きが悪いのは最近のストレスや葛藤、悩みなどが原因になっていることも多く、途中で目が覚めやすいのは自分でも気付かないうちに無理を重ねているときに多い。このような不眠の原因を元から断つのも大事だが原因がなくなってもすぐ眠れるようになるかと言えばそうではない。無理、葛藤、悩み、ストレスが貯まっていて不眠、体調不良、一層の不眠という悪循環は簡単にはなくならない。そんな場合薬がその悪循環を断つのである。