「仕事に行けますか?」

 確かに、なりたくない病気になって自分では治せずに医者にかかるのだが、医者が患者さんと関わってよくなって貰える部分と患者さん自身の自然治癒力、自分で自分を治そうとする主体性などが相互に働き合って病気が治るし治っていく。ただ薬をのんでるだけでは自分の病気にむきあうという主体性も弱くなり、病気が治らないで苦しむ場合もある。しかし今までの自分では治せなかったことを悟り、医者と協同作業して治して行く必要がある。仕事についてもいつ行けるかという疑問が患者さんからでてくるが、当たり前だが仕事は治ったら行けるのである。ではいつ治るかというと個人の性格・人格・環境など一人一人全く違っていて病気も違う。従ってそう簡単には病気の治る時期を予想しにくいこともあるのだが、ただ治るのを待つのではなく治そうとすることによってよりよく治していける部分がある。しかしこのことは早く治そうとあせることではない。病気に対してどのような対応がいいのか、どう過ごせばいいのかはいままでのやり方ではいけないだろう。さらに自分だけではなく、家族、人間関係を含む環境調整が非常に重要である。
 仕事に行けますかと聞いてくる間はやはり自信がまだないことも多く、行けるようになったら自然と仕事に行けそうな気持ちが湧いてくることも多い。仕事に行かなければならないのは当然だが、どこかに仕事に行けるという自信が必要である。行かなければならないのなかに無理があっては、しばらくは出勤できても長続きしないであろう。