「井戸水の例え」

 このうつ病に関する例えは精神科医の先輩から伝わってきている。うつ病は心身の活動エネルギーの低下する病気であると考えられている。このエネルギーを地下水に例えれば、うつ状態は地下水がなくなり井戸水が枯れてしまった状態である。井戸水がなくなっているにも拘わらず執着気質で頑張りやは何かしていないとおれないので、井戸水がないにも拘わらず水を汲み続ける。しかし水がないのに汲めるわけがなく、汲んでも空っぽであり空っぽだとさらに頑張って汲もうとする空回り状態が続く。こうして心身ともに疲弊してしまったのがうつ状態といえる。
 ではどうしたらうつ状態が改善するのか?この答えは簡単に想像できると思うが井戸水を汲むのをやめればよいのである。そうすれば時期によっては地下水も回復し、井戸水も貯まってくるのである。井戸水が貯まっても安心してはいけない。まだ底が浅いのである。あわてて活動を再開して水を汲めばすぐ空っぽになる。すなわちうつ状態は再発するのである。従って地下水が少ししか貯まっていないときは動き続けられると勘違いしないで、この時期もう少し辛抱して長い目に休んで貰った方がよいのである。