アンナ・カレーニナ

 アンナ・カレーニナ(キーラ・ナイトレイ)の夫はロシアの政府高官カレーニン(ジュード・ロウ)で一人息子のセリョージャとサンクトペテルブルグで暮らしている。兄オブロンスキー(マシュー・ファクデイン)の浮気で壊れかけた兄夫婦の関係を取り持つためモスクワに出かけたとき、若き将校ヴロンスキー(アーロン・テイラー=ジョンソン)とお互い引き込まれる。兄の妻ドリー(ケリー・マクドナルド)の説得に成功し、その妹キティ(アリシア・ヴィキャンデル)に舞踏会への出席を頼まれる。キティは舞踏会でヴロンスキーからプロポーズされると思っていたのだが、ヴロンスキーはもうアンナしか目が入らなくなっていた。アンナのヴロンスキーへの情熱も燃え上がっていたが、家庭のためヴロンスキーから逃げるように夫と息子の待つ家を必死に目指した。しかしヴロンスキーはその後アンナを追って列車にも現れ、アンナは「私を忘れて」と拒絶したが無駄だった。アンナがモスクワから影を連れ帰ったと囁かれみんなから軽蔑され始める。夫の耳にもはいり体面を気にする夫カレーニンにも軽率な行動はしないよう注意される。恋や愛ではなく18歳で結婚したアンナはヴロンスキーとの情事に夢中になり、ヴロンスキーを愛してしまったとカレーニンに告白する。夫は何もなかったように振る舞えというが、アンナはもう後戻りできなかった。
 キティを愛していたリョーヴン(ドナルド・グリーソン)はいなかに帰りキティを忘れようとする。ヴロンスキーに振られたキティは病気になり、ドリーはキティはリョーヴンとやり直したいと思っていると伝えた。最後はリョーヴンはやはりキティを愛していることをわかり結婚する。
 一方アンナは妊娠し出産時重症になりカレーニンはアンナの容態をみて許す気になるが、そんなカレーニンをますますアンナは受け入れにくくなる。カレーニンがアンナを離婚すると聞いたヴロンスキーはアンナをあきらめるために勤め始めた軍の勤務地を辞め、アンナに会いに来る。ヴロンスキーとくらすようになったアンナはカレーニンと離婚して息子のセリョージャと暮らしたかったがカレーニンは許してくれない。ヴロンスキーは息子セリョージャを諦められないアンナとの間に溝を感じ、アンナも溝を意識し始める。セリョージャとも会えず、ヴロンスキーの心が離れたと感じたアンナは最後には電車に飛び込んで自殺する。
 恋愛は人の分別をなくさせてしまう。子どもを捨ててまで人は人を愛することが出来るのが子供には非常に不幸である。一方の人間の欲望が他方の人間の不幸になる。