アンナウン

 植物学者のマーティン・ハリス博士(リーアム・ニーソン)と妻のエリザベス・ハリス(ジャニュアリー・ジョーンズ)はベルリンでの学会に参加するためベルリンの空港に降り立ち、ホテルに直行する。マーティンはホテルの玄関でパスポートなどを空港に忘れたことに気付きタクシーを拾って空港に戻る途中で事故にあう。ベルリンの病院にて一命を取り留めたマーティンは自分を証明するものがなく、記憶も定かでないなかホテルに戻って妻エリザベスに会い、自分を証明してもらおうとしたところ妻からあなたのことは全く知らない、わたしの夫はこの人(エイダン・クイン)と言われ面食らう。妻が自分のことを証明できなければ学会の仲間のブレスラー教授なら自分のことを証明してくれると思って教授の研究室に出かけたらマーティン博士と名乗るあの男がいてマーティンである自分が知ってることを全部知っている。マーティンはわけがわからなくなって病院にもどる。そこで正体不明の人物が出現し、マーティンの面倒をみてくれていた看護師を殺し、自分も殺されそうになってやはり自分はマーティンだと確信し、看護師から教えて貰った元東独秘密警察のユルゲン(ブルーノ・ガンツ)に事情を説明し助けを乞う。ユルゲンは事情を聴いて興味をもち、まずマーティンを助けたタクシーの運転手ジーナ(ダイアン・クルーガー)に事故時の状況を聞こうとするが逆にジーナの友人が殺され二人は命を狙われる。追手を辛うじて避けた後、ユルゲンの調べとジーナの協力もありこの事件の目的はこのバイオテクノロジー学会に協力してくれているシャーダ王子の暗殺にあることがわかる。妻もあやしく、自分になり済ましている男も暗殺集団の仲間とわかりマーティンとジーナはこの暗殺を防ごうとする。しかし自分に協力してくれたユルゲンがマーティンのアメリカでの研究仲間のロドニー(フランク・ランジェラ)により自殺に追い込められる。ここで初めてロドニーが暗殺集団のボスであり、マーティン自身がロドニーの部下であり、マーティン博士なる人物を装い、さらにシャーダ王子暗殺に見せかけ食糧事情を劇的に改善する発明をブレスラー教授から奪うことが真の目的であることがわかった。マーティンがロドニーに殺されそうになるところをジーナは救い、ホテルでの学会中での王子暗殺事件、ブレスラー教授の発明論文の盗難をふたりはかろうじて防ぐ。
 かくして本当の名前がわからなくなったままマーティンとジーナは新天地でやり直す。
 罠にかけられた当人がその仲間であったというトリッキーな映画であったが、この映画では頭部外傷後、事故前の健忘を引き起こすことがあり逆行性健忘といわれている現象をストーリーの種にしている。