ヒアーアフター(来世)

 パリで人気のあるキャスター・マリー(セシル・デュ・フランス)はテレビ局のディレクター・ディディエ(ティエリー・ヌーボック)と東南アジアに休暇に来ていた。丁度その時津波が襲ってきて、マリーは死にそうになる。マリーは死後の世界と思われる超自然の存在を体験した。まさに臨死体験と言われているものであろう。その後パリに帰ってきてからはキャスターの仕事が手に付かず仕事を休んで元大統領ミッテランの本を頼まれて書こうとしても結局ヒアーアフターという臨死体験の本しか書けなかった。

 13歳になるロンドンの双子の兄弟マーカスとジェイソン(ジョージ&フランキー・マクラレン)は薬物依存でネグレクト傾向のある母親に育てられながらも、福祉局職員の目から母親をかばって母親のネグレクトをごまかしていたが、ある日母親が薬物を断つための薬をジェイソンが母親に代わって買いに出かけた途中で町の不良にからまれて逃げる途中交通事故で死んでしまう。弟のマーカスは悲嘆にくれ心を閉ざし続け、母親が福祉局にマーカスを任せマーカスの里親に決まった両親にも心を開かず、兄ジェイソンの死後の世界を感じ死んだジェイソンとのコンタクトを求め続けるのであった。

 ジョージ(マット・デイモン)は今は工員だが、以前は霊能者として活躍していた。ジョージは小さい頃大脳障害で瀕死の状態になったあとその霊能力を持った。しかし霊能の世界が自分を崩し不安定にさせるため、死後の世界とのコンタクトをとるのをやめていたが、時々兄貴の頼みで兄貴の知人が死んだ家族とのコンタクトを取るのに霊能力を使っていた。また料理教室で知り合った女性との付き合いも彼の霊能力が原因で別れることになる。ところがジョージが真面目に仕事を続けた会社が赤字になり真っ先に独身者ということで退職させられる。そのためジョージは兄貴から霊能力を使うことをすすめられたがどうしてもその能力を使えないため旅にでてもともと小説家ディケンズが好きだったためロンドンに立ち寄る。

 その頃マリーはロンドンの出版会社からヒアーアフターの本を出版することになってブックフェアーで講演していた。ヒアーアフターという題名に興味をもったジョージもマリーの話に興味を持ちマリーにも霊を感じる。偶然マーカスもブックフェアーに来ていてインターネットで知っていたジョージと出会い、兄貴ジェイソンを呼び出してもらおうと思って粘り強く待ち続けとうとうジョージがマーカスの兄貴ジェイソンとコンタクトをとって、マーカスは悲嘆から再出発の道を選ぶことが出来た。マーカスはジョージがマリーに興味があるのを感じていてジョージにマリーのホテルを教えてあげる。ジョージはマリーに手紙を書き霊的能力を持つ二人は恋愛感情をもつ付き合いを始める雰囲気であった。

 霊や死後世界は感じる人が感じるのであり、科学ではない。科学でないものが意味がないかといえばそうではなくて霊・神秘・超自然などは人の生活世界に大きな影響を与えている。