インセプション

 他人の頭のなかに侵入してアイデアを盗むプロ集団のリーダー・コブ(レオナルド・ディカブリオ)はターゲットに気づかれる失敗をしてしまった。逃亡しようとしたコブとアーサー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)の前にターゲットが立ちはだかる。ターゲットのサイトー(渡辺謙)は実はコブの実力を試したのである。サイトーはライバル企業フィッシャー社を潰すためにコブに仕事を依頼する。その仕事はライバル社の跡継ぎロバート(キリアン・マーフィー)に父の会社を潰す必要があるというアイデアを植え付けることである。さらにコブは夢・頭に侵入する仕事のなかで自分の妻を殺した罪で自国に帰れなくなっていて自分の子供にも会えないでいた。サイトーはコブに罪を抹消させる代わりに仕事を手伝わせる。亡くなった妻の父にこの仕事が終われば子供たちを引きとれるといって優秀な頭の中の空間の設計士・アリアドネ(エレン・ペイジ)を紹介してもらった。人は一度頭のなかに入ると抜け出せないなかアリアドネもその仕事に協力する。その他夢のなかで色々な人物に化けてターゲットを騙す偽造士にイームス(トム・ハーディー)夢の世界を薬で安定させる調合士にユスフ(ディリープ・ラオ)を選ぶ。
 現実世界では飛行機を買い取りロバートを眠らせ6人はロバートを含めた夢の世界に侵入する。夢の世界は時間の進み方がすごく速くなり現実の1分は夢の何10分になる。夢の世界から各人が目覚めるには夢の世界で死ぬか衝撃を受ける必要がある。
 夢の第1の階層でロバートが父モーリスとの関係を見直すため遺言を意識させる。しかしロバートは頭からアイデアを盗まれない訓練を受けていたため夢の中でいきなり武装勢力に襲われる。サイトーは傷付きながらの次の階層に進む。深い階層で死亡すれば現実に戻れなくなる危険を冒す。第2階層のホテルの場面は法律顧問のブラウニングが父の遺産を狙っていると思わせ、ブラウニングの頭に入って情報を抜き取ることを勧める。第3階層の雪山の病院の場面でロバートは死にそうになるが、より深く危険な階層に入って第3階層のロバートを生かそうとする。第4階層は実はコブの妻との出来事が内在されていた。妻は夢の世界に深く魅了されていたため、妻の頭に夢から立ち去るというアイデアをコブは植え付けたのだが、現実に戻った妻はそこも夢と思ってそこから立ち去るというアイデアが増殖しコブの前で自殺してしまう。それでコブは妻殺しの罪を背負ってしまった。
 妻とその世界で決別したコブは第3階層に戻るときの衝撃でロバートを生かし父と合わせて和解させ父に自分の道を歩めといわれる。第2階層ではアーサー以外の各人がすべて寝ており、第1階層ではバスが転落しつつあるなか、コブは第4階層のサイトーを救うべくもぐりこむ。第4階層は世界が崩れ、第3階層は爆破され、ホテル内では皆が宙に浮き衝撃を受け入れなくなっていたりしたがそれぞれの衝撃で現実の飛行機の中に戻る。皆に遅れたがコブはさらに深い層に入りサイトーを連れ戻しサイトーのミッションに成功し晴れて子供たちと過ごすことができるようになった。
 この世界はまさにヴァーチャルな世界と類似しており現実から遠ざかるイメージである。