告白

 中学の授業風景が映し出され、担任の教師森口(松たか子)が先生の言うこと聞かない生徒たちを前にして自分が辞職するに当たって辞職理由を述べる。森口の娘愛美がクラスの男子生徒に殺されたと伝える。愛美は熱血先生で有名な桜宮正義先生の子供で、桜宮は悲しいことにエイズに罹っており二人は子供を産むが結婚はしないことにした。しかし一粒種の愛美が二人の愛の証しであり、目に入れても痛くない子供であった。警察はプールでの事故死と片付けたが、渡辺修也(西井幸人)と下村直樹(藤原薫)に殺されたことがわかったと伝える。渡辺君が作った触れるとショックを受ける財布を愛美に手渡し、それでなくなったと思った下村君が愛美をプールに放り込んだことがわかったと伝える。森口はどうしても二人を許せないのでエイズで亡くなった桜宮の血液を今二人が飲んだ牛乳に入れておきましたと伝える。二人は急に恐ろしくなり下村はその後学校に来れなくなる。下村は精神的に異常を来たし、森口の後任になったウェルテルというあだ名を持った寺田先生(岡田将生)が同級生の北原美月(橋本愛)と学校に行くよう説得すればするほど参ってしまう。結局下村はまだ愛美が生きているのを知っていながら愛美をプール放り込んで殺したのである。最後は下村が耐えられなくなり、息子を溺愛し全く反省していない母親を刺し殺してしまう。このとき森口はひそかにウェルテルに働きかけ下村を追いつめるよう謀っていた。
 一方何も無かったように学校に来ていた渡辺は同級生にいじめられながらも耐えていたが、北原がそんな渡辺に興味をもち、3ヶ月程たった後渡辺はエイズにかかっていないことがわかり安心する。渡辺は物理の研究者の母親が父と離婚して別れていたが、そんな母親に見て貰いたい一心で作ったショック財布は話題にあまりならずに母親の目に止まらないことを残念がっていた。母親の研究室に会いに行ったところ母親は再婚していて渡辺は絶望的になってしまった。渡辺は北原を殺し、中学校の学生を爆弾で皆殺しにしようした。しかしこれら一連の出来事を森口は密かに渡辺を盗察して、渡辺の動きを先取りし爆弾を渡辺の母親のもとに届け渡辺が知らないうちに渡辺自身に母を殺させる。
 この映画は空恐ろしい中学生を描いているが、登場人物一人一人が自分の家族のみへの愛が際だち、他人に対する愛は無くなってしまっている。