「ノウイング」

 1959年マサチューセッツ州のウィリアム・ドーズ小学校では50年後の未来にむけたタイムカプセルを埋めようとしていた。その中にルシンダとなのる少女がいてささやく声に悩まされていた。他の児童たちはタイムカプセルに入れる未来の想像図を描いていたのにルシンダだけが数字の羅列したものを書いたのであった。すべて書き終わらないうちに用紙をとりあげられたルシンダは式典当日行方不明になった。放課後になって不明のルシンダを体育舘の倉庫で発見したとき残りの数字を体育舘の壁に自分の血で書き残していた。
 50年後MITで物理学を教えるジョン(ニコラス・ケイジ)は昨年のホテル火災で妻をなくし息子を一人で育てようとしていた。息子ケイレブは耳に雑音が混じるという障害をもっていた。ある日息子のケイレブが通うウイリアム・ドーズ小学校で50年ぶりにタイムカプセルを開く式典があり式典にどうにか間に合ったジョンはケイレブの分としてルシンダの書き残した数字の羅列した紙をうけとる。酒に気持ちを紛らわせることの多かったジョンは夜中その数字の羅列を見ていて299691101という数字に引っかかるものを感じた。すなわち同時多発テロの死者数と日付であった。飛び起きてその数字を調べていると意味の分からない数字の部分を残して、大きな事故の死者数と日付が書かれていた。妻の火災事故も書かれていたのである。大学同僚のフィル(ベン・メンデルソーン)に相談したところまともに相手にしてくれなかったが、残っていた数字の日付と死者の人数が次々と起こる事故に一致したのである。また分からなかった数字が地球の座標を表すことも分かった。そのころケイレブは夜中幻視をみた。森に火の手があがり動物がにげまわり不思議な人物につれさられそうになりケイレブは悲鳴をあげるが駆けつけたジョンもその人影をみた。まだ残っている数字と表の最後に書かれていたEEの意味をしらべるためルシンダの娘ダイアナに会いに行く。ダイアナは一人娘アビーを育てていたがジョンの話をきいてジョンを避ける。実はダイアナは母ルシンダによって彼女が死ぬ日を予言されていた。数字どおりに事故がおこることを知ったダイアナは結局ジョンに協力し自分の母ルシンダの書いた体育舘の数字とルシンダの家にあった石からEEの意味が残りのものすべてと分かる。すなわちすべての人間の死が予言されていた。ジョンは自分の論文から太陽のスーパーフレアが地球のオゾン層を破壊し全滅させることがわかる。
 ダイアナは一縷の望みで地下にもぐろうとするが、不思議な人物たちに子供を奪われてしまう。途中ダイアナは交通事故で死亡し、ジョンは子供たちを追っていくと不思議な人物たちは人類が滅亡するのを防ぐため少人数の選ばれた人間を助けようとした宇宙人であることがわかった。ジョンはケイレブにいつも一緒だといって別れを告げケイレブを宇宙人にあずけ、仲たがいしていた親父の家に帰り死を迎えるのであった。
 この映画は人が死ぬときはやはり家族の絆が前面に出るとも訴えてもいるのだろう。また幻視や幻聴が何かを暗示しているとも言っているのだろうか?