「感染列島」

 いずみ野市立病院に高熱、痙攣、吐血、多臓器不全の重症患者が運ばれてきた。新型インフルエンザと想定されたが何かが違っていた。救命救急医の松岡剛(妻夫木聡)の懸命の努力にもかかわらず患者が死亡する。続いてその妻、先輩医師、その他次から次ぎに感染し、重症化していき病院はパニックになる。事態の調査と拡大を防ぐためWHOからメディカルオフィサー小林栄子(檀れい)が派遣されてきた。松岡は栄子を見て動転する。栄子は松岡のかっての恋人だった。栄子は非情にも患者のトリアージ(重症度によって治療の順位をきめること)をすすめ、病院全体が栄子に反発していたが、栄子はサポート役に松岡を指名しやがて二人は病院全体の隔離をすすめるのであった。
 一方大学教授の仁志稔(藤達也)達も感染経路を調べていたが当初神倉章介(光石研)の養鶏場発症の鳥インフルエンザと目されていたがインフルエンザウイルスは出なかった。しかし世間の目は冷たく神倉は一人娘茜を残して自殺してしまう。無名の研究者(カニング竹山)が隔離の範囲を越えウイルスを集めていた。その言葉も聞いたためか栄子と松岡はインフルエンザではないのではないかと考えて最初の感染者夫婦が東南アジアの小国アボンで医師を勤める夫婦の父と接触していたという話を聞いて松岡と仁志は東南アジアのアボンに飛ぶ。
 今回ブレイムと名付けられたウイルス感染がアボンのある島で住民を絶滅させていた。その間にも日本中で感染が広がり栄子も感染する。松岡は無名の研究者にも血液サンプルをあげウイルスを調べさせる。しかしワクチン開発まで栄子の命は持たないため、松岡は最後の手段で感染しても発病していない人の輸血で栄子を救おうとする。
 それから無名の研究者がブレイムウイルスを発見しワクチンが開発され感染が終結する。多くの人が死んでいくなか使命を全うするのは大変難しいのではないか?使命を全うできる人はえらいが全うできないのも人間である。