「ヘブンズ・ドア」

 28歳の青山勝人(長瀬智也)は音楽家になる夢もあきらめ、バイトも首になり人生だらだらといきていた。ある日突然意識がなくなるようなことがあり検査に訪れた病院で余命は数日だと宣告される。入院することになったがまだ事態が把握出来ずにいた。入院先の病院で骨肉腫でやはり余命1ヶ月と宣告されていた14歳の少女白石春海(福田麻由子)と出会う。病院で偶然みつけたテキーラと調理場のレモン・塩を肴に酒を飲み始める。勝人が海の話をするが春海はまだ海をみたことがないという。勝人は春海を海にさそう。ちょうどそのときその病院にK3ホールディングの社長小久保(長塚圭史)の超高級車が止まっていた。小久保にあるものを運ぶよう命令された社員の辺見(田中眠)と安達(大倉孝二)がその車で事故をおこし被害者を病院に連れてきていたのである。
 勝人と春海はもう死ぬ身なのであまり怖いものはなかったのでその車を拝借して海にいくことになる。ちょうど車のなかにはピストルが入っていて、勝人はガソリンスタンドで強盗してしまう。春海は勝人を責めるがお金を借りただけと言い張った。そのころ病院では春海がいなくなったと大騒ぎがおきていた。さらにその強盗事件もあり勝人が春海を誘拐したことになっていた。もうやぶれかぶれで前にすすむことになった2人は途中東京の原宿で買い物をするがやはりお金がたらないので勝人は郵便局で強盗する。逃走中勝人は何度か倒れて心配になった春海は一緒に海に行くことを決心する。春海はそこまでして何故海に行きたいのか尋ねると勝人は人生の最後ぐらい最高のエンディングが欲しいと答える。車で再出発しようとしたときにその車には大金もつまれていた。ふたりは超豪華ホテルで贅沢の限りを尽くすが、警察の刑事部長長谷川(三浦友和)らが2人をつきとめたが惜しくも逃がしてしまう。一方K3ホールディングの社長小久保も二人を必死に捕まえようとする。二人はパトカーを奪い海をめざす。途中春海も勝人の薬を得るために薬局で強盗したりしながら遊園地によって遊んだり、勝人の故郷に寄って勝人の母親を陰から見た後、海をめざす。警察にも追われ、小久保にも追われ結局小久保に捕まるが社員の辺見が二人の余命がわずかとしって二人を逃がす。
 最後に二人は海を訪れ勝人は死にたくないと言って死んでいくのを春海は看取る。人生の最後ぐらいは不思議に運がついてしまう悲しい話である。