「地球が静止する日」

 ある夜地球外生物学者ヘレン・ベンソン博士(ジェニファー・コネリー)の所にアメリカ政府のエイジェントがやって来てヘレンは強制的に連れて行かれる。亡き夫の連れ子ジェイコブ(ジェイデン・スミス)を隣人に預けざるをえなかった。政府はヘレン以外の核物理学、天文学など種々の学者をあつめていた。実は小惑星と思われる天体が地球とぶつかる予定であり、緊急に学者を集めて対策を練ろうとしていた。しかし物体が地球に到達した瞬間何事もおこらず光輝く球体のなかから地球外生物(キアヌ・リーブス)と大きな黒いロボットが出現した。軍隊の一人が恐れて発砲しその地球外生物は倒れる。政府はその地球外生物を隔離して調べたところ外皮が剥ぎ落とされ人類そっくりな地球外生物が出現する。
 ところで光り輝く球体は全世界に出現していて大混乱であった。すでにその地球外生物に地球の情報がすべて吸収されていた。その地球外生物は国務長官レジーナ(キャシー・ベイツ)にクラトウと名乗って地球が維持されるには人類が滅ばされる必要があると語る。レジーナは想像を絶する文明を持った地球外生物には敵わないと思ったが人類のためには闘わざるをえなかった。捕まえたと思っていたクラトウはわけなく施設から脱出し、しかしながら傷付いた人間の体をしたクラトウは灰色の物質を必要としていた。灰色の物質を施設から持ち出したヘレンはジェイコブを伴ってクラトウのところに行く。ジェイコブはクラトウを信じておらず政府に居場所を通報する。どうにか逃げ去ったクラトウとヘレン、ジェイコブの3人はファーストフードショップに立ち寄り一人の中国人と出会う。その中国人は先に送り込まれていた地球外生物であり、「人類は滅びなければならない。しかし私はここに留まる。人類には別の面もある」と言ったがクラトウには理解出来なかった。
 クラトウはニュージャージーの森で光る球体と接触した後にヘレンに地球を守るためには人類が滅びなければならないと言う。ヘレンは人類を救うためにクラトウに政治家や軍人とは違う立派な人物に会ってもらい、クラトウに考えを変えて貰おうとした。その頃隔離していた黒い巨大ロボットを政府が壊そうとしていたが、逆にロボットの金属から出来た非常に小さいミクロ単位の無数の昆虫用ロボットが出現し施設全体が破壊されたのである。いよいよ人類滅亡計画が始まった。ヘレンとジェイコブが必死にクラトウを説得し、人類の愛・共感能力に意義を感じたクラトウは人類滅亡を避けるため光り輝く球体に戻る決心をし、ぎりぎり人類滅亡計画が中止されるのであった。
 物語では地球外生物を人類と関連して想像することが多いが、実際は大きさも形も相当違う可能性は高く、地球外生物が地球に到達した時点で人類が闘うのは無意味であろう。なぜならそれだけ高度の生物なら人類は闘えるはずはない。さらに相手にとって人類は下等生物であろうからこの映画のように色々な交渉をするしかないのではないか?