「ミスト」

 ある夜、大嵐がおそいデヴィッド(トーマス・ジェーン)は妻のステファニー(ケリー・コリンズ・リンツ)、息子ビリーと地下に避難していた。明くる朝、家の中にまで大木が倒れていてデヴィッドのイラストの仕事がめちゃめちゃになっていた。湖の畔の小屋も隣の大木で木っ端みじんになっていた。仲が良いとは言えない隣人の弁護士ノートン(アンドレ・ブラウアー)に保険会社のことを聞いたりしているうちにノートンの車がつぶれていたためデヴィッドの車で息子のビリーとノートンの3人で町のスーパーに買い出しに行くことになった。スーパーは多くの人で混雑しておりデヴィッド達3人が買い物中に霧がたち込めてきた。外で軍人が動き回りサイレンなどの音もけたたましく鳴り始める。そして突然霧の中から中年男ダンがスーパーに駆け込んできて霧のなかにとても危険ななにかがいると叫んだ。スーパーは霧に包まれ大きな振動とともに何か大きなものに取り囲まれている感じがした。骨董店主のガモーディ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)は外は死の世界でこの世は終わりなどと宗教的終末的言動を繰り返すのであった。ビリーを教師のアマンダ・フリー(ローリー・ホールデン)にまかせてデヴィッドは毛布を取りに倉庫に行ったところ不気味な音を感じ、発電機を動かしにきた副店長のオリー(トビー・ジョーンズ)、倉庫係のジムたちに何か得たいの知れないものがいるから注意するようにといったが大したことがないと思ったジムは外にある排気口に若者を行かせようとした所、巨大な触手を持った怪物に若者は襲われた。スーパーにいる人達を怖がらせずに危険を知らせるには弁護士のノートンを説得してみんなに伝えようとしたが、ノートン自身が全くその話を信用せず、同じく怪物の存在を認めない何人かと外に出た。しかし外にでた者は皆怪物に殺され、みんなは引きちぎられた胴体をみて怪物がいることを確信する。ますますガモーディーは神懸かりになってガモーディーの信者が増えてきた。あたりが暗くなるなか突然巨大な蚊のような化け物や人間の半分くらいの鳥のような大きくて飛ぶ怪物がスーパーに入り込んで何人かの人を殺してしまった。軍人のウエインは恋人が死んでしまい実は軍隊が異次元との接触を試みた結果怪物が出現したらしいことを述べる。ガモーディーはますます教祖的になりスーパーのなかで終末への祈り以外はないとみんなを唆すのであった。そんななか一人の兵士が生け贄に外にほりだされる。デヴィッド、アマンダ、オリー、ダンたちは倒れている仲間達のために抗生物質などの薬物をとりに隣の建物にいったところ怪物の巣屈になっており、このままではガモーディーの信者ばかりになることを恐れ、デヴィッド、アマンダ、オリーたちは車で脱出することにしたがガモーディーに知られ危うく殺されそうになった。オリーはアマンダの護身用のピストルでガモーディーを殺し、必死で車に乗ろうとしたがオリーは怪物の餌食になってしまった。デヴィッド、ビリー、アマンダ、ダン、老教師ミセス・レプラーの5人は車に乗って必死に霧から逃げようとしたがとうとう霧のなかでガソリン切れになり、アマンダのピストルに残った弾4発でデヴィッドは4人を殺した。自分も死のうとしたところ軍隊が怪物を殺しながら現れ霧が晴れていくのであった。デヴィッドは少しの時間差で4人を殺してしまったことに対して絶望の淵に立つ。
 理性的に行動しても最後は運や不合理なものが人の人生を決めることもあるということであろう。