「大いなる陰謀」

 ジャスパー・アーヴィング上院議員(トム・クルーズ)は初当選時ベテランジャーナリストのジャニーン(メリル・ストリープ)に共和党の若きホープとして紹介された。今回アーヴィングはジャニーンを特別に呼んで、共和党のアフガニスタン作戦をもらす。彼の発案による作戦は少数精鋭の部隊をアフガニスタンの山中に送り、高地を占領してアフガヌスタン反乱分子の反撃を断つことである。
 しかしそれを聞いたジャニーンには撤退をしないのか?失敗はしないのか?犠牲者の数は?という疑問が起こる。しかしアーヴィングは作戦の達成には手段を選ばずという態度であった。
 その頃カリフォルニア大学の歴史学教授マレー(ロバート・レッドフォード)は一人の生徒トッド(アンドリュー・ガーフィールド)の目を開かせようとしていた。トッドは現在の政治家のやり方に疑問を感じ、優秀にも拘わらずやる気をなくしていた。彼の教え子だったアーネストとアーリアンは歴史の授業だけでなく実践して始めて人生に意味があると感じて、志願兵としてまさにこの高地作戦に参加していた。マレー教授は優秀な学生を戦地に送るのは反対だったが、彼ら2人とも苦学生で兵役から帰った来た時には授業料免除も与えられるという経済的利益もあった。
 アーヴィング上院議員の作戦は成功すれば彼を間違いなく大統領に押し上げるものだったが、間違いなく成功するというアーヴィングの確信と強行は実際には机上の空論であった。アーネストとアーリアンは高地には敵がいないとうい情報のもと高地作戦に参加したが軍用ヘリで高地に達したときに敵が現れ2人は高地で負傷し敵に取り囲まれてしまった。この作戦にも情報間違いがあった。アーヴィングのもとに志願兵が2人死んだという情報がジャニーンとの面談中に入ったにも拘わらずジャニーンにはそのことを伝えず一端開始された作戦を強行しようとしていた。
 カリフォルニア大学のトッドはマレー教授の生徒であったアーネストとアーリアンの純粋さの話を聞いてから、学問や人生に対する気持ちが変わろうとしていた。しかし皮肉にもその2人が政治家の無謀な作戦で命を奪われていたのである。ジャニーンは今回はアーヴィング上院議員の特ダネ情報を記事にするをためらっていた。アフガンでは共和党のテロとの闘いが多くの犠牲者を産み出していたからである。
 人は自分の意志だけでは正義が貫けないということを知っておく必要があるのだろう。